年の順に逝くこと
日本の風景ってね、本当にきれいだと思うんですよ。
原風景とか里山と言われる地域ではまず土が見えない。
木や草が生い茂って土を隠してしまうから。
木や草がないところには水がある。
一年中キラキラ光ってるけれど、木や草と力を合わせるとえも言われぬ美しさとなる。
その世界はモノクロでもカラーでも関係ない。
むしろモノクロの方が、心の目を通して見るからわかりやすいかもしれない。
木下恵介監督の代表作のひとつに警察日記というのがあります。
その中で最も印象的なシーンは、事情があって駐在所にいた子供(二木てるみ)を自転車の後ろにのっけて、家まで送るシーン。
田植えが済んだばかりの田園の真ん中、自転車に乗る若い警察官は森繁久弥。
後ろの山々のなんと美しかったことか。
カラーだとかモノクロだとか全然関係ない美しさがそこにはあった。
さわやかなおまわりさんも、きっとその美しさの演出のひとつだったろうと思うとき、意外と森繁久弥は心に残ったんですね。
彼は役者をやったことで、永遠にヾ(@⌒▽⌒@)ノの心の中に生き続けていきます。
「順番を間違えてるよ」
自分より若い者の葬儀では、必ずそう嘆いた森繁さん。
さようなら。
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